自分の子供は絶対に教員にしない!
年配の教員が集まると決まって出る話題
自分の退職金の見込み額が思ったよりもずっと低い。
ということは 年金も低い?退職金は地域によって変わるが。
何度か忘れるくらい、給料が引き下げられてきた。
トドメに、数年前に退職金が大きく引き下げられた。
4%の調整額ではなく残業手当が出るなら生涯の残業未払い額は3000万円くらいだろうか?
これが退職金や年金にも本来なら反映するんだろうな。
教員は5000万円くらい無料奉仕させれるのかな?
その額が分からないのが今の給特法の悪さ。
30年前に教員になった頃は、出身大学が、京都大学、早稲田大学、慶應大学、大阪大学、同志社大学などの難関大学出身者も多くいた。地元国立大学を軸にその他上位私大が主な出身大学で教採の倍率は18-20倍だった。みんな、今も教員として働いている。私も含めて多くが上場企業の内定を蹴って教員になった。企業に少し給与は負けてもそのほかの条件はそんなに悪くなかった。優秀な教員を確保する法律に基づき優遇されていた。民間を蹴って教員になる者が多くいた。その法律は生きているのに、どんどんと教員の待遇は下げられた。
教員の勤務評定と賃金のリンクも始まり、教員の全員の給与を引き下げて、優秀な一部の教員の給与を上げる制度が始まった。
優秀な教員とは?聖職者として給与や待遇など度外視して生徒のために全てを捧げる教員?
一方で評価の低い教員はずっと給与は上がらないこともありうると説明があった。評価が低い教員とは?無賃の残業を拒否しようとする教員?家庭を大事にするために19:00には帰ろうとする教員?
私の知っている教員は全員が、
自分の子供が教員にならないように努力している。
教員の働き方の実態を伝えて進路を変えさせる。
それでもなろうとしたら、なんとか阻止している。
教員の子供でなくても、学校のブラックは知れ渡り、上記の大学の卒業生は減ったように思う。代わりに増えたのは、学生の募集に苦労している地元の私大の新設教育学部の出身者。隔世の感がする。そういった大学が多くの卒業生を応募させても逃げる学生の完全な穴埋めにはならず、教採の倍率は落ち続けている。我々の世代が退職して行った後、学校がしっかりと回るだろうか?
教員になったら奨学金を免除する制度を復活させようとしているが、優秀な学生は釣られない。
仮に300万円を免除してもらっても、生涯にいくら損をするかを考える。
学校を一番よく知っているのは現職の教員だ。
文科省の役人は、学校の働き方の実態を知らないだろう。
際限ない仕事や無限大の責任の大きさを知らないだろう。
日本の教育は持続可能と言えるか?
先進国の教育です、と言えるか?
手遅れになる前に
優秀な教員を採用できた条件に戻せ。
教員がすなわち、日本の教育
質を保つ知恵と予算を惜しんではいけない。
口先介入だけで事態を劇的に改善できない大臣は要らない。
9000億円との試算がある払われていない教員の残業手当て
過労自殺に追い込まれた教員の家族の苦しみ
無茶な働き方を一変させる手腕を持ち、予算に反映させる力を持つ大臣を待つ。