いじめは、時と場所を選ばず起こる
教員の働き方改革の答申には、教員自らが仕事を増やした、これを本来の教える仕事に集中させて残業を減らす、とある。
今回の法は、全く逆行し、子どもの24時間に対応する仕事を本務の学習指導と同等と位置ずけようとしている。
イジメは、授業時間を除けばわずかな時間しか残らない学校を主戦場にしていない。
現代の犯罪がそうであるように、SNSで時と時間を選ばず進行し実行される。
最も多くの時間を過ごす家庭が気付かないことを、授業の合間の休み時間に教員が気付くべきとすることは無理がある。イジメをした子の親は気づけば子供を叱り、指導して、イジメられた子の家庭に対応する。学校で起きたイジメに教員が対応する。家庭での指導と学校での指導はそれぞれ親と教員が行う。
この改正により、教員がイジメに気付くべきで、対策も教員が行うべき、全てに責任を持つかのような印象を与える。結果として教員へのイジメの丸投げが起こる恐れがある。時と場所を選ばず起こるイジメへの対応を教員に求めるのは無理だ。
この改正案をまとめるのが、現場を経験した馳浩・元文部科学相であることは、大変残念だ。ブラック学校にさらに対応を増やす時間が無いことを1番知っている。
学校にイジメの対応を第一任務として付加するなら、イジメ対応専任の教員を全ての学校に配置してからだ。
政治家が、必死の努力で政府を動かし、財務省を動かし予算をつけて体制を整えて行うべき。
そうでないと、結局さらに多くの子ども達と接する時間が減る。
予算をつけずに学校への負荷を加える作業が国によって続けられて、教員の過労死が起きている。
子どもの困難に対応できる専門家の導入を急げ。
教員の過労死レベルの働く環境を、まともな環境に変える取り組みが始まるかのように見えた矢先に、教員の責任及び実務時間を大幅に増やす愚改正を行おうとしている。
報道記事 抜粋
いじめを放置した教職員を懲戒処分の対象とすると明記した議員立法「いじめ防止対策推進法改正案」が、28日召集の通常国会に提出される。与野党の賛成多数で可決、成立する見通しだ。
条文の素案では、いじめ防止対策を「学習指導等と等しく重要な事務」と明記。いじめ防止を教職員の義務と位置付けた。現行でも、いじめをめぐり教職員の悪質な対応があれば、教育委員会などが認定し、地方公務員法に基づき処分している。いじめの放置や助長などが処分対象になると明示することで、「いじめ問題に関心が薄いケースが多い」との指摘もある教職員の意識改革を促す狙いがある。